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  * Program & Program Note *   ... 私、中田聖子 (チェンバロ) の公演済みの演奏会のプログラムとプログラムノートです。

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  2003.11.25 リサイタル : Program & Program Note

  2004.3.16 アンサンブル・フリューゲル 〜早春の響き vol.2 〜 : Program Note (抜粋)

  過去の演奏会一覧

  ★ プログラム・ノートには、一部、私の大胆な仮説も入っておりますが、
    チェンバロ作品などに興味を持って頂く1つの手助けとなれば...と思い、
    掲載しております。

 
 
     

  * 2003.11.25 中田聖子 チェンバロ リサイタル at ホテル阪急インターナショナル チャペル *    

             Program 

  ■ Louis Couperin (ca.1626-1661)   ルイ・クープラン

     Suite, la mineur ("Pièce de clavecin")    組曲イ短調 (「クラヴサン曲集」より)

       ・Prélude à l'imitation de Mr.Froberger    プレリュード「フローベルガー氏を模して」
       ・Allemande                 アルマンド
       ・Courante dite La Mignonne        「ミニュンヌ」と呼ばれるクーラント
       ・Sarabande                サラバンド
       ・La Pi
èmontaise              「ピエモンテーズ」

 
  ■
François Couperin (1668-1733)  フランソワ・クープラン

     Quatrième Prélude, fa majeur  ("L'Art de toucher la Clavecin" (1717))
     プレリュード第4番 ヘ長調      (「クラヴサン奏法 (1717) 」より)

     Vingt-Trosième Ordre in f   ("Quatrième livre de Pièces de clavecin" (1730) )
     第23オルドル ヘ調         (「クラヴサン曲集 第4巻 (1730)より )

       ・L'Audacieuse          「大胆」
       ・Les Tricoteuses         「編み物をする女たち」
       ・L'Arlequine           「アルルカン」
       ・Les Gondoles de D
élos       「ディーロス島のゴンドラ」
       ・Les Satires, Chevre-pieds     「山羊の足をしたサテュロス」

  
  ■
Johann Sebastian Bach (1685-1750)  ヨハン・セバスティアン・バッハ

     Suite Nr.1, d-moll, BWV812   フランス組曲 第1番 ニ短調 BWV812

・Allemande アルマンド
・Couranteクーラント
・Sarabandeサラバンド
・Menuett I - IIメヌエット I-II
・Gigueジーグ
 
 
 
            -------  Interval  -------

 

  ■ Johann Sebastian Bach (1685-1750)  ヨハン・セバスティアン・バッハ

     Sonata r Violoncello und Cembalo, D-dur, BWV1028
     ピッコロ・チェロ (ビオラ・ダ・ガンバ) とチェンバロの為のソナタ ニ長調 BWV1028

・1. Adagio 第1楽章 アダージョ
・2. Allegro 第2楽章 アレグロ
・3. Andante 第3楽章 アンダンテ
・4. Allegro 第4楽章 アレグロ
 

 
  ■ Johann Sebastian Bach (1685-1750)  ヨハン・セバスティアン・バッハ

     Suite Nr.5, e-moll, BWV810   イギリス組曲 第5番 ホ短調 BWV810

・Prélude プレリュード
・Allemande アルマンド
・Couranteクーラント
・Sarabandeサラバンド
・Passpied I - IIパスピエ I-II
・Gigueジーグ
 
 
 
 

    
 ■ プログラム ノート   (抜粋・一部掲載にあたって修正)
 
 バロック期の時代、主として舞曲から構成される「組曲」が、チェンバロの為に、多数書かれました。

 ルイ・クープラン(Louis Couperin :ca.1626-1661)の組曲には、非常に特徴的なプレリュードが 置かれています。「ノン・ムジュレ non mesuré」のプレリュード。 これは、全て白符の全音符で記譜されており、拍節・小節線の無いプレリュードです。 17世紀のフランス作品の特徴として位置づけられるものでもあります。 この「ノン・ムジュレ」のプレリュードを演奏する際には、即興性が要求されます。 演奏の手がかりは、音の保持(音を伸ばしておくこと)を示す曲線のようなもの のみ。
 楽譜とは、作曲家が音楽作品を他者に伝える為の1つの手段。 つまり、音楽作品を無理矢理、試行錯誤して「音符」という形で現したものであり、 1つの手がかりにすぎないものです。バロック期において、鍵盤楽器の為の作品の大部分は、 作曲者と演奏者が一致していました(言わば自作自演です)。このフランス独特の「ノン・ムジュレ」の 書法は、楽譜が音楽作品の「メモ」のようなものであったことを示すものではないでしょうか。 又、このプレリュード「ノン・ムジュレ」は、沢山の弦に鍵盤がセットされた撥弦楽器である チェンバロにしか表現出来得ないもの。本日の組曲で演奏するアルマンド、クーラント、サラバンド、 そして「ピエモンテーズ」も、チェンバロの撥弦構造の楽器であることを味わえるものであり、 実際に舞曲として踊られていたことを想像出来る作品でもあります。

 ルイの甥にあたるのは「大クープラン」ことフランソワ・クープラン (François Couperin : 1668-1733)の作品からは、 1730年出版の「クラヴサン曲集 第4巻 Quatrième livre de Pièces de clavecin」より、 第23オルドルを選曲しました。オルドル Ordreとは「組曲」の意味です。 フランソワは「クラヴサン奏法 L'Art de toucher la Clavecin (1716/改訂版1717)」という、 教則本の色合いが濃い演奏論を主大案。そこには「クラヴサン曲集 第1巻(1713)」と 「クラヴサン曲集 第2巻(1717)」で用いられた調によるプレリュードも収められています。 その中のプレリュードは、彼の個々の組曲(オルドル)のプレリュードとして、同一調のものを用いる ことが可能であるうと考えられていますので、「クラヴサン奏法」のヘ長調のプレリュード第4番も 演奏致します。
 フランソワ・クープランの組曲の構成曲を見ると、美術館で目にするようなタイトルが、その多くに 付せられています。彼にとっての、描写的なタイトルの付いた作品は、一種の肖像画のようなものらしい・・・・・・。彼の作品の重大要素、"鍵盤楽器が作り出す響きの美しさ"を大切にする姿勢は、 フランスの鍵盤音楽において、脈々と受け継がれているように思われます。 ドビュッシー、ラヴェルをはじめ、後のフランスのピアノ作品においても、響きの美しさが大切に されています。そして、プーランクらによって、シンプルな動機を用い、楽器の持つ音色の個性を 重要視する作品が、20世紀半ば迄に多数生み出されて行く課程に置いて、18世紀に活躍した フランソワ・クープランを抜きには考えられないのではないでしょうか。

 ヨハン・セバスティアン・バッハ (Johann Sebastian Bach : 1685-1750)の組曲からは、 「フランス組曲」と「イギリス組曲」より、各々1曲ずつとりあげます。彼の鍵盤楽器の為の組曲は、 他に、6曲の「パルティータ」をはじめ、多くの作品が残されています。ヴァイオリンやチェロの為の 組曲、そして「管弦楽組曲」も残しており、彼のそれらの組曲は、現在、組曲の定義基準とされるほど、 組曲形式として完成されたものであると見られています。
 「フランス組曲」「イギリス組曲」共に、J.S.バッハ自身が、そう名付けたものではなく、 これらのタイトルの由来は、現時点では、完全には解明されていません。
 「フランス組曲」のタイトルは、フランスの組曲趣向で書かれたものであるとする説が有力。 フランス風の語法が見受けられるのに加え、フランス・クラヴサン(チェンバロ)作品に見られるような、 撥弦楽器の味わい深さと、固有の音色を重視した作品です。又、この「フランス組曲」全6曲中、 第1番から第5番迄は、2番目のバッハ夫人の為に記された「アンナ・マクダレーナ・バッハの為の音楽帳」 に原型作品がおさめられており、非常に親しみやすい旋律が沢山でてまいります。
 一方、「イギリス組曲」のタイトル由来の有力説は、或るイギリス人の為に書かれたものであることに 由来するというもの。J.S.バッハの息子の時代に書かれた、バッハの伝記的記述(フォルケル著)にも、 又、息子のクリスチャン・バッハによる筆写譜にも、そう書かれているので、私なんぞは簡単に信じて しまっておりますが、真相は明らかではありません。
 「イギリス組曲」には、「フランス組曲」には置かれなかったプレリュードが、構成楽曲第一曲 として置かれています。単品でも演奏会レパートリーに出来そうな、壮大なプレリュードです。 プレリュードだけを見ても、J.S.バッハの作品完成度の高さがわかりますが、その形式は、 協奏曲の形式を思わせるものとなっています。ケーテンの宮廷に仕えていた時代に「イギリス組曲」 は書かれたと考えられていますが、前職のヴァイマールにいた頃、彼は、他者の弦楽器などの為に 書かれた協奏曲を、鍵盤楽器独奏用協奏曲に編曲するということを行っていました。 そこに始まるのでしょうか、「イギリス組曲」のプレリュードは、「イタリア協奏曲」への流れが あるようにさえ思われます。
本日演奏致します「イギリス組曲」のホ短調 第5番 BWV810において、更に特筆すべき点は、 サラバンド。明らかにサラバンドの形から外れた曲と言えます。J.S.バッハの時代、これらの舞曲組曲は、 実際に舞踊に伴う音楽ではなく、鑑賞用の器楽作品として書かれるものとなっていました。 それによって個々の舞曲は、より自由な形となっていきます。つまり、この第5番のサラバンドは、 既に踊られてはいなかったことを証明するものであると言えます。むしろ、自由性が生じて来たからこそ、 J.S.バッハの手によって、鑑賞用作品としての高完成度の組曲が生まれたのかもしれません。
 そして、J.S.バッハの作品から、もう1つ「ビオラ.ダ・ガンバとチェンバロの為のソナタ ニ長調 BWV1028」を、本日はピッコロ・チェロとチェンバロで演奏致します。 ピッコロ・チェロという楽器は、4弦あるいは5弦の小型チェロで、普通のチェロよりも高音域まで出す ことが可能です。J.S.バッハは、数曲のカンタータ作品において、ピッコロ・チェロを用いています。

2003.11.25 中田 聖子 (チェンバロ)   
(プログラム・ノートより抜粋)


 
 

 e-mail : Klavi-cembalo@art.707.to

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